生きてるうちに決めておく『葬儀』戦略

「葬儀」とは?

 

葬儀」とは?

葬儀という言葉は略語で、正しくは葬送儀礼といいます。葬送儀礼は、亡くなってから行う納棺や通夜、葬式、火葬、四十九日法要、お墓などへの納骨といった一連の儀式や流れをさします。葬式は、葬儀と告別式を合わせた言葉といわれています。葬儀は宗教的儀式、告別式は社会的な儀式です。

葬儀とは宗教的儀式

仏 教 僧侶がお経を上げ、参列者が焼香を行う一連の儀式の総称。
神 道 神官が儀式を執り行い、仏教式の焼香にあたる玉串奉奠等を行う。
キリスト教 牧師が行い、故人に献花や讃美歌を送る。

葬儀は、故人の宗教・宗派の宗教者、儀礼によって行われます。

無宗教の葬儀は「自由葬」とも呼ばれ、伝統的な作法で葬儀を行わず、自由なスタイルで故人とお別れをします。 宗教者を呼ばないため、僧侶による読経や焼香などは行われません。

葬式はしなくてもいいのか?

葬式は法律で義務付けられていません。「葬式をする・しない」はそれぞれの家が自由に決めることができ、行わなくても法律的には何の問題もありません。

結論→なんだっていい

葬式はしなくてもいいし、あるいは火葬だけして、行きつけの飲み屋を貸し切って、そこで皆に飲んで食べてもらって「お別れ会でーす!」ってやるのも立派な葬式です。

 

葬儀屋って、いまどき必要か?

葬儀費用の大半は「人件費」と「坊主代」です。

「坊主代」は、事前準備しておくことで、そこそこ削れます。人によっては不要です。

「人件費」は、葬儀をスムーズに行ったり、面倒な手続き等を代わりにやってくれるための費用です。

葬儀屋の人件費の内訳

遺体の移動、着せ替え、火葬するための行政手続き・申込み、お骨拾いの際の案内

これらの人件費を削れば安くはなりますが、納得できる別れ方ができるかどうかは、かなり疑問です。実際に、これを自分でやるのは色んな意味でしんどいと思います。この先、葬儀屋の数が減ることはあっても無くなることはありえません。

 

一般的な葬儀費用

全国平均195万円(総額)

①葬儀一式費用 121万円 遺体の搬送、お通夜、葬儀、人件費
②飲食接待費用 30万円 お通夜や葬儀でふるまう飲食代
③寺院費用 47万円 坊さんに払うお金

葬儀社が出してくる見積もりには①以外含まれていない。ことが多い。

絶対に避けられない費用「火葬」

式を挙げるか挙げないかは別にして、最低限やらなければならないのが「火葬」です。火葬するうえで必要な経費が以下になります。(値段は目安)

30000円
車両 30000円
骨箱 4000円
ドライアイス(24時間分) 8000円
火葬料金 10000円
葬儀社の人件費(2名) 40000円
計 122,000円

葬儀屋の人件費の内訳

遺体の移動、着せ替え、火葬するための行政手続き・申込み、お骨拾いの際の案内

 

「とにかく安くしたい」なら直葬 & 9900円の墓

直葬(列席1~5人)

お通夜、告別式をせず火葬のみ
人間関係の希薄化・高齢化の進行・経済的な問題等により、都市部などで直葬が増加。知人友人がすでに他界していたり高齢で葬儀に来られないといったケースでよく使われる。

※亡くなって24時間経たないと火葬はできない。その間は自宅か祭儀場で遺体を保管

価格

30000円
車両 30000円
骨箱 4000円
ドライアイス(24時間分) 8000円
火葬料金 10000円
葬儀社の人件費(2名) 40000円
計 122,000円

日本一安い9900円のお墓

夢咲さくらの里 永代合祀納骨堂

・9900円の納骨冥加金のみで納骨できる
・管理費・護寺会費等、納骨後の追加費用は一切なし
・宗派・宗旨不問
・永代供養

火葬と納骨のコミコミ価格で、約13万円です。この組み合わせが、おそらく最安です。

 

「やっぱり葬儀はしてあげたいよ。」

 

葬儀アリだと一気に費用が跳ね上がります↓

どのタイプの葬儀がいいか?

まず結論をいうと、一般葬はオワコンです。実際、一般葬はここ2年あまりでさらに激減しており、「なるべく小さく」という流れが加速しています。

出典:鎌倉新書「いい葬儀」お葬式に関する全国調査(2022年)

一般葬(列席30人以上)

いわゆる普通の葬儀。知り合いの知り合いとか、たくさん来る。

【価格】税込66万円 小さなお葬式より

家族葬(列席5~30人)

流れは一般層と同じだが、自分が決めた人だけに来てもらう少人数制の葬儀。式場がコンパクトになる分、費用は下がる。

【価格】税込44万円 小さなお葬式より

1日葬(列席5~30人)

通夜式をせず、告別式から火葬までを1日で行う。こちらも家族葬同様、自分が決めた人だけに来てもらう少人数制の葬儀。

※寺院によっては通夜と葬儀・告別式を行わないと納骨を拒否される可能性もあるため事前に確認。もし駄目なら通夜も行うか、宗教を問わず入れる霊園に納骨するか、墓じまいするかを選択する。

【価格】税込33万円 小さなお葬式より

直葬(列席1~10人)

お通夜、告別式をせず火葬のみ
人間関係の希薄化・高齢化の進行・経済的な問題等により、都市部などで直葬が増加。知人友人がすでに他界していたり高齢で葬儀に来られないといったケースでよく使われる。

※亡くなって24時間経たないと火葬はできない。その間は自宅か祭儀場で遺体を保管

【価格】税込18万円 小さなお葬式より

市民葬・区民葬

自治体が住民へのサービスの一環として行っている葬儀プラン。自治体と葬儀社が提携して行う、安くて質素な葬儀。

自治体によって規格が様々だが、おそらくそこまで安くはならない。むしろ内容が不十分であることが多いため、必要なものを追加するうちに費用が高額になることが多い。

 

オプション・追加でかかる費用

【追加費用①】坊主代

坊さんの手配に関しては、この3つのサイトが料金的にかなりリーズナブルです。あとは戒名のランクによって値段がかなり変動しますが。細かい比較についてはご自身でどうぞ。

お坊さん.jp
てらくる(小さなお葬式)
お坊さん便

戒名の相場

これが一般的な戒名の相場です。ドン引きですよね?

宗派 信士・信女 居士・大姉 院信士・院信女 院居士・院大姉
浄土宗 30万円~40万円 50万円~60万円 70万円~
真言宗・天台宗 30万円~50万円 50万円~70万円 80万円~ 100万円~
日蓮宗 30万円~ 30万円~50万円 100万円~
浄土真宗 20万円~(釋・釋尼) 50万円~(院釋・院釋尼)
臨済宗 30万円~50万円 50万円~80万円 100万円~
曹洞宗 30万円~ 50万円~70万円 100万円~ 100万円~

※男性が〇〇△△信士・居士・院信士・院居士
※女性が〇〇△△信女・大姉

戒名を安く作る方法」を知っておけば、上の一般的な価格より50~80%オフの価格で戒名をゲットできます。いかに今まで、ぼったくられてたかが分かると思います。

坊さんの食事も必要

御膳料・・・僧侶が食事を辞退した際には5,000円〜10,000円程度を包む
お車代・・・10,000円ほど包む(遠い場合のみ)

一応これが相場となってるみたいですが、生意気なので無視していいでしょう。

【追加費用②】お食事代

通夜ぶるまい 精進落とし
1人前  3,300円(税込)~ 1人前  5,500円(税込)~
通夜の後に設けられる食事会 初七日法要の後や火葬場から戻ってきてから設けられる食事の席
通夜に参列した人なら誰でも参加できる。多くの人に参加してもらうための席 僧侶と親族のみの少人数で行われることが多い

これからは「弁当」で十分です。

葬儀で出される精進料理は「仕出し弁当」で出すことも可能です。その場合、2000円ぐらいでも十分な弁当がありますし何より飲み物代を抑えられますから、かなり安く済みます。

家族葬や直葬にして、「そもそも食事をとらないかたちの葬式にする」というのが今後の主流になるでしょう。そのほうが、お互い楽ですからね。将来的にも。

絶対に葬儀屋を通すな!

基本的に葬儀屋と料理屋というのは契約を結んでいるわけですが、やはりここでも、葬儀屋は紹介料として多額の中抜きを行っています。ある情報によると売上の4割を葬儀屋が取る契約内容だったそうで。葬式の料理が「高いくせにマズい」のは、これが理由です。

これを避けるだけで、安くても味の良い料理を出すことが可能となります。僕が「2000円ぐらいでも十分です」と言ってるのは、こういう理由からです。必ず自分で料理屋へ発注をいれましょう。

どんな弁当にすればいいの?

イメージが湧かない方は、法事・法要の弁当&仕出し「ごちクル メモリアル」を参考に。

住んでる近辺に料理屋があると思いますので、いくつか目星をつけておくことです。

 

「一般葬」と「家族葬」どっちが安い?

トータル(葬儀費-お香典)で見ると、一般葬のほうがお香典を多くもらえる分、黒字になります。

と、葬儀関係の人が解説してるのをよく見ますが、これはデマです。

お香典は関係ない。

冷静に考えてください。

当然ですが、お香典をもらうということは、反対に返さなくてはなりません。ということは、お香典が多かろうが少なかろうが、最終的にはプラマイ0なのです。

葬儀費が増えれば増えるほど赤字は膨らみます。

よって、一般葬と家族葬は、家族葬のほうが格段に安いのです。

さらに言うと!

手間(時間と労力)が半端じゃない!

仮に一般葬にして、お香典をたくさん貰うとしましょう。

どこの誰だか分からない人がたくさん来ます。それで終わりなら良いですが、反対に次はあなたが行かないといけないのです。その手間(時間と労力)は半端じゃありませんよ。

例えばウチの親なんかは、年間20数件の葬儀に毎年、出席していて葬式だけで大忙しです(笑)

もっと言うと!

一般葬では参列者数を事前に把握できない

飲食や返礼品などの費用は別途必要となる費用です。一般葬の場合、事前に参列者数が分からないため、請求時に実費費用分が加算されてトラブルになりやすいです。家族葬であれば、このリスクは100%回避できます。

結論

これらの問題に直面したくなければ、少人数(家族葬、1日葬、直葬)で、ひっそり行うのをおススメします。

 

どの葬儀屋に頼むか?

葬儀プランは決まったので次は、どこの葬儀屋にお願いするか?を考えます。

相見積もりを依頼する

相見積もり」とは?

複数の葬儀屋に、同内容の見積もりを依頼すること 

まず重要なのは、「同内容の見積もり」で比較することです。これは必ずやるべきで、葬儀屋には「とりあえず相見積して見て検討します」と言っておくことです。それだけで、ぼったくられる可能性は激減します。

ふつうに考えて、100万円以上もの大金をこれから使うというのに、相見積すらとらないなんて馬鹿な話ありません。カモにされるだけです。

そして最後は葬儀屋の雰囲気で決める

実際のところ、葬儀屋の比較はプロでも難しいので、一般の人が「値段だけ」で決定するのはやめたほうがいいです。

スタッフの質、使ってる物のクオリティと量、これらは葬儀屋によってバラバラであり、値段で単純比較できない部分です。

となれば、最終的にはよく言われます「信頼できる葬儀屋さんに頼みましょう」という話になるわけです。

では何をもって「信頼」といえるのか?

それは、電話対応、事前相談、評判。これらで比較してもいいですし、単純に「この人が好き」これも十分な決め手です。僕なら後者です。

 

「高額な坊主代」どうにかならんのか?

仕事の割に、ずいぶん高額とるなと思うのが坊主代です。

坊主代

僧侶を手配する場合お坊さん便を参考)

直葬僧侶手配 35,000円
火葬場で火葬を行う前に、お棺の前で僧侶に読経をしてもらう[
5分程度]
1日葬僧侶手配 65,000円
告別式、火葬の際の読経に加え、初七日法要を繰り上げて行う告別式後の計3回読経
家族葬・一般葬僧侶手配 14万円
お通夜・告別式・火葬場での読経

戒名 2~20万円
亡くなった方が仏門に入った証として授けられる名前

これ↑はかなり安い価格帯です。ふつうに依頼したら、この倍以上の金額を平気で請求されます。

「お経」は削れるか?

お経に関しては、自分で読むか、音声で流せば経費削減は可能ですが、それだと式の雰囲気が凄いことになりそうなので無し。葬儀をするのであれば、ここはひとまず本物の坊さんに依頼するのが宜しいかと。

「戒名」は削れるか?

戒名をつけることは義務ではありません。ただし戒名なしの場合の注意点がありますので、ここは詳しく見ていきます・・・

 

戒名について

 

戒名=新たな名前

「亡くなった方が仏門に入った証として授けられる名前」とされていますが、本来は「これから仏道に志して、何時の日にか、悟りを開きます」という志を起こした「生きた人」に与えられるものでした。

いずれにせよ、よく分からない漢字の羅列(新たな名前)のことです。これは義務ではないので原則的に不要です。

位牌(いはい)

ちなみに、この木の置物みたいなやつは位牌と言います。故人の戒名と没年月日、俗名、行年(享年)の記された木の札です。自宅の仏壇やお寺の位牌壇に安置し、故人の霊をお祀りします。毎日手を合わせて供養をする対象として位牌を作成しますが、原則的には位牌は不要です。料金は2万円程度(戒名を位牌に彫刻)

塔婆(とうば)

塔婆は、故人の追善供養のために用いるもので、故人の戒名、没年月日、経文、施主名、供養年月日、梵字が記された細長い板です。意味合いとしては「塔婆を立てることは良いことだ!」みたいな昔からの風習です。納骨時に行うのが最初で、年忌法要、お盆、お彼岸、お施餓鬼法要のタイミングで新しい卒塔婆に交換。料金は1本3000円程度。塔婆も原則的には不要です。

戒名なしの場合の注意点

菩提寺(自身の先祖代々の墓がある寺)がない方は関係ありません。

1.菩提寺との関係が微妙になる 葬儀での読経や墓への納骨がしてもらえない
2.親族から批判される 一般的な事ではないため、批判されかねない
3.葬儀・法事が行えない 仏教徒とみなされず、仏式での葬儀・法事(宗教的儀式)が行えない
4.菩提寺のお墓に入れない 関係を絶ったとみなされ、お墓に入れてもらえない

※葬式はするけど寺院のお墓には納骨しない場合、戒名がいらないことがある。
※お墓によっては入れる可能性もあるため死後に入る予定のお墓がある方は、あらかじめ住職に相談しておく。

要するに、戒名を作らないと「葬式できないかもよ?」「墓に入れないかもよ?」という脅しです。

葬式に関して言えば、ヒマしてる坊さんは全国にいくらでもいるのでネットで簡単に手配できるから問題ありません。

お墓に関して言えば、自然散骨でよくね?って僕なんかは思いますが、それが嫌な場合は菩提寺に「戒名ないと墓に入れてくれませんか?」と聞いてみる。それで駄目なら、戒名を作るか、離檀して墓じまいするかしか選択肢はありません。

昔から、寺院のお墓には納骨してないよ!って場合は何の問題もありません。うちも昔から公営墓地なので戒名があろうがなかろうが、お墓に入れることは可能です。

戒名をもたない人の選択肢は4つ

戒名を安く作る方法

結論だけいうと、必要なら今すぐ作っとけ!これが答えです。

安くする方法 費用対効果
①戒名の位を下げる ~10万円
②生前戒名を授かる ~25万円
③戒名授与サービス(戒名のネット通販)で注文 ~28万円
④自分で戒名をつける 無料で付けれる為、最大

※菩提寺(自身の先祖代々の墓がある寺)がある場合は、いずれもその住職の理解が前提となる。

①戒名の位を下げる

位を下げたくないのが昔の人なので、これは使えないでしょうね。

②生前戒名(生きているうちに戒名を授かること)

生前戒名のメリットは、戒名料が安くなる可能性が高いことと、自分の納得のいく戒名をつけられることです。戒名は生前にもらうのが本来の姿です。

戒名授与サービス(戒名のネット通販)

こちらで戒名の通信販売をやっていて料金的にも、かなりリーズナブルです。細かい比較についてはご自身でお願いします。

お坊さん.jp
てらくる(小さなお葬式)
お坊さん便
本寿院(ランクに関係なく3万円)
NKS日本生前戒名推進会

ただし、共通の注意点があるので確認を↓

注 意!

基本的にお寺とお付き合いのある方(門徒、檀家になっている/お寺にお墓を持っている等)のご依頼は、お寺とお客様の間でのトラブルを招く可能性があるため、お受けすることができません。何らかの事情でお寺のお坊さんにご依頼できない場合は、その旨を菩提寺に連絡し、必ず許可を得てから正式にご依頼ください。

つまり、檀家であっても寺から許可がとれればOKということです。とりあえず、菩提寺(自身の先祖代々の墓がある寺)がある人は確認を。

④戒名を自動生成してくれるアプリ

戒名は自分で考えて付ければ、費用は一切かかりません

たとえば『戒名メーカー』というアプリがありますが、これは戒名を自動生成してくれるだけでなく、戒名授与証書も発行・印刷でき、位牌としても利用可能の優れものです。しかも、このアプリを使って仕事してる坊さんもいます(笑)

衰退していく戒名

葬式やお布施って本当に必要か?

過去の記事でも触れましたが、戒名というのは、たんなる詐欺商品です。

「亡くなった人が仏の世界に行くには俗名のままでは良くないということで、だんだんと亡くなった人に戒名をつけるという風習が生まれた」

とか言ってますが実際は、ただの悪質な集金システムに過ぎません。戒名ランクがその証拠。こんなの、成仏とはほとんど関係ありません。

若い世代からすれば「戒名?何それ?いらんだろ」という考えが主流であり、その流れは今後ますます加速し最終的には、ほぼ消えるでしょう。

ところが、古い世代にとって戒名とはある種の「ステータス」なのです。我々からするとアホみたいな話ですが、戒名にはランクがあり、

字数が多いほど 字数が少ないほど
位の高い人 位の低い人
値段が高い(20万円) 値段が安い(2万円)

字数=その人物のランク

このように洗脳されているので「字数の少ない戒名なんてけしからん!」という話に必ずなるわけです。となると、2万円でいいところを20万円も出すはめになるのです。

戒名の未来予想

戒名はいずれ、自分で好き勝手つくるのが主流になるだろうと思います。

つまり「ステータス」から「ファッション」へ移行します。今後、戒名が生き残るとすれば、こっちの方向性しかないでしょうね。

そもそも、子供の名前は自分で好き勝手つくるのに、戒名は何十万円も払って付けてもらうとか意味不明です。「そんなに欲しければ自分で付ければ?」って価値観が、当たり前の世の中になっていくと見ています。

 

お墓の問題

止まらない「墓じまい」

「遠くて大変」「お墓を継ぐ人がいない」といった理由から、墓じまいする人が激増しています。もう完全に供養への意識・価値観が変わってしまいました。

トレンドは一般墓から樹木葬(永代供養)へ

出典:鎌倉新書「いい葬儀」お葬式に関する全国調査(2022年)

お墓に関しては、ここ数年で「樹木葬」が主流になりました。樹木葬は基本的に永代供養なので、跡継ぎ問題をクリアしています。当分は永代供養がトレンドとして続きそうです。

勘違いされてる「永代供養」

永代供養』とは?

家族や子孫に代わって、寺院や霊園が永代にわたって遺骨の管理や供養をしてくれる供養方法。

ただし注意点として、永代供養墓には期限があるものと、期限が無いものが存在します。永代といっても「ずっと」という意味ではありません。

・期限あり→13回忌までは供養し、その後は合祀(他の遺骨とガッチャンコ)
・期限なし→ずっと

家単位で供養してもらいたい方は「期限なし」を選択しましょう。

墓地の種類

寺院墓地 寺院が管理している墓地。購入の際は、その寺院の檀家となる必要がある場合が多い。法要を依頼しやすいが、戒名を作らないと「葬式ができない」「墓に入れない」といった縛りがある。
公営墓地 都道府県や市町村などの自治体が管理・運営している墓地。自治体に本籍や現住所のある者。宗旨や宗派による制限がない。場所によっては区画の空きがなく都心の場合は特に倍率が高い。利用料金が安価
民営墓地 公益法人または寺院以外の宗教法人(主に石材店)が管理・運営する墓地。宗旨や宗派による制限がない、生前のお墓の建立が可能など、墓地を購入するための資格や条件が少ない。永代使用料が比較的割高で、かつ墓石の費用も相場より高い。

これを見るかぎり、公営墓地が一番マシです。マシですが「墓」そのものが時代的にオワコンの流れに突入しつつあるので、今から墓石買って墓地はどこにしようか?みたいな人は、一度冷静になって家族と話し合ったほうがいいと思います。

お墓を新たに購入する場合の費用

土地の使用料にあたる永代使用料が20万円~100万円程、墓石代が50万円~200万円、さらに外柵や墓誌で金額はアップします。一般的には200万円前後が必要となります。樹木葬だと、この半値以下で購入可能です。そりゃ、一般墓は減りますよね。

お墓の維持費

・護持会費(墓の管理費)1000円~2万円 / 年
・四十九日 3~10万円
・一周忌法要 3~10万円

ちなみに、うちは(墓の管理料2000円、坊主代(お年賀3000円、お盆のかます代3000円、彼岸3000円、寺の維持費3000円))で年間14000円です。この毎年はらう坊主代が無駄に感じるので檀家をやめるかを検討中です。

墓じまいする場合の費用

墓じまいにかかる費用 相場 目的
離檀料 5~20万円 お寺に感謝の気持ちを込めて納めるお金
閉眼供養 3~10万円 お墓や仏壇に込められているご先祖の霊魂を抜くこと
墓石の撤去費用 8万~15万円
(墓地面積1㎡あたり)
墓石を撤去し更地に戻すための工事費用

総額で30~100万円程度+次の供養先にかかる費用が必要です。

※墓地を撤去する業者も必ず相見積もりで決める

離檀料・閉眼供養ともに支払い義務はない。

離檀料・閉眼供養ともに、寺院と契約書における取り決めを行っていなければ、支払いをする義務はありません。そもそも離檀料も閉眼供養も、言い値で費用が決まるものであり、法律やルールが定められておらず曖昧です。よって、坊さんから強制的に支払いを強要されても余裕で断れます。

あくまで「お寺への感謝の気持ち」ですから、払う払わないはコチラ次第。別に現金じゃなくても構わないのです。まんじゅうやお菓子でもいいし、何もあげなくてもいいのです。

 

新しい供養先を決める

墓じまいをするということは、中に納めている遺骨を取り出し、別の場所に移動する作業がともないます。

墓じまいする人・戒名をもたない人の選択肢は4つ

1.公営または民営墓地を利用する
2.無宗教の墓地を利用する
3.樹木葬を利用する
4.散骨を行う

海洋散骨という選択

個人的には海洋散骨が最強だなと感じます。自然に還るというコンセプトも忠実に再現し、コスパもいいし、なにより分かりやすい

面倒だった、お寺との付き合いはないし、霊園の管理費や維持費など後々の費用も発生しません。システムそのものがシンプルなので樹木葬みたいに後々、トラブルになることもありません。つまり、子孫に迷惑をかけない究極系です。

ただし当然ですが、海洋散骨した遺骨は手元に戻ってきません。しかし、全ての遺骨を散骨せずに遺骨の一部を手元に残す(ミニ骨壺やペンダント等に分骨する)ことで、手元供養も可能になります。

これで十分じゃないですか?

【問題❶】クレーム

唯一、問題点があるとすれば、親族や知人からのクレームでしょう。

「どうして法事をしないんだ?」
「どうして墓が無いんだ?」
「どこにお参りに行けばいいんだ?」

おそらくこんな感じでしょう。ただ、これも全く問題ありません。

法事をしたければ自宅で出来ますし、お参りしたければ自宅に来てもらえばいいのです。とりあえず線香立てでも用意しておけば十分です。そもそも、散骨が本人の意思であるならば誰も文句は言えません。

【問題❷】自分が死んだら?

自分が死んだら、手元供養していた遺骨はどうするか?代表的な方法は以下になります。

A) ご自身の遺骨と一緒に埋葬・散骨する
B) 新たに埋葬・散骨を行う
C) 親族に管理を任せる

どれでもいいですが、自分ならAで親族と話をつけておきます。「一緒に海洋散骨で流して」と伝えておきますね。

ハワイで海洋散骨できるのか?

可能です。遺骨を手荷物と一緒に入国できます。心配な方は埋葬許可書を持参

ハワイ州では散骨に関する規制はありません。連邦水質汚染防止法で海岸より3マイル(4.82km)以上、沖合で撒かないといけないというルールを守ればOKです。

海洋散骨の費用

ボート代
合同乗船タイプ 10~15万円ほど
貸し切りタイプ 20~30万円ほど

※ハワイでは海洋散骨ツアーが多数設けられているので、気になる方は検索してみてください。

樹木葬

永代供養が希望なら、樹木葬でいいと思います。ただし注意する点があります。

【注意❶】期限がある

永代供養墓には「期限があるもの・期限が無いもの」が存在します。永代といっても「ずっと」という意味ではありません。

期限あり→13回忌までは供養し、その後は合祀
期限なし→ずっと

【注意❷】二度と取り出せない

一度埋葬すると、契約期限を過ぎると合祀されてガッチャンコされるので、二度と、遺骨の取出しや引っ越しは不可能です。それを防ぐために、少量の骨を分骨壺に移して手元供養する方法もありますが。であれば、最初から海洋散骨のほうがよくね?と僕なんかは思ってしまいます。

樹木葬のポイントまとめ

メリット デメリット
永代供養 一世代のみの墓
一般墓の半分以下の購入価格 遺骨の取出しや引っ越しは不可能
管理コストがかからない 場所が悪いから参拝には不向き
好きな人やペットと一緒に入れる 埋葬する人数によって費用がかわる

樹木葬にもデメリットはありますが、それでも一般墓よりは、はるかに時代にマッチしています。

樹木葬の費用相場

合祀型 約5~20万円
個別型 約15~60万円
家族型 約20~80万円

「家単位」で供養してもらいたい方は、家族型・期限なし・管理費0を選択しましょう。

日本一安い9900円のお墓

夢咲さくらの里 永代合祀納骨堂

・9900円の納骨冥加金のみで納骨できる
・管理費・護寺会費等、納骨後の追加費用は一切なし
・宗派・宗旨不問
・永代供養

お墓の後継者がいなくて困ってる、自宅で遺骨が眠ったままになっている、とは言っても樹木葬を購入するだけのお金もない。これらの問題に悩んでる人の受け皿になる存在です。こういう所が今後ますます増えてくるでしょうね。

30年後の価値観

今のところは、永代供養を望むなら樹木葬でいいかと思いますが、おそらく30年後には永代供養すら「微妙じゃね?」という雰囲気になってると思います。というのも、30年後の2050年頃というのは、シンギュラリティー・ポイント(極めて大きな社会的変化)の真っ最中であると予想できるので、「不老」がいよいよ現実味を帯びてくる段階にあります。となると、命というものの価値観そのものが激変するので、墓とか供養とか言ってる状況ではなくなります。

このような確実にやってくる未来についても、頭に入れておいたほうがいいでしょう。

 

結論 → 墓いらなくね?

 

死後の手続き

7日以内にやること

亡くなってから7日以内は、やらないといけないことが山ほどあります。

①葬儀屋の選定
②葬儀代の調達
③医師から死亡診断書を受け取り、役場へ提出
④火葬・埋葬許可証を申請
⑤親族や関係先へ連絡

基本的に③と④は葬儀社が代行してくれます。

14日以内にやること

年金の受給停止
世帯主変更
健康保険等の資格喪失の手続き

3ヵ月以内にやること

公共料金(電気、ガス、水道)の口座変更や解約手続き
故人が使っていた有料サービスの解約
相続の限定承認または相続放棄の手続き

4ヵ月以内にやること

故人の準確定申告

10ヵ月以内にやること

相続税の申告・納付

※故人の預貯金口座は相続の手続きが終わるまで一旦凍結。どのように相続するのかが確定したら凍結解除。

2年以内にやること

給付金は必ず利用しましょう。

故人が国民健康保険に加入していた場合

1〜7万円(自治体による)
故人の住民票のある市役所の国民健康保険課
亡くなってから2年以内

故人が社会保険に加入していた場合

5万円
加入していた保険事務所
亡くなってから2年以内

公務員の場合

各組合によって異なるため問合せ

 

まとめ(自分ならこのプランでいく)

いざ親が亡くなったとき、僕なら現実的にこのプランでいきます。

ちなみに前回の葬式では、坊主代(一般葬+戒名)で35万、葬儀・飲食で85万、納骨で10万、計130万円ほどでした。

今回のプランだと、計530,000円ほどになりそうです。

葬式

・1日葬で超少人数制にする 33万円
・坊さんは手配お坊さん.jpてらくるお坊さん便のいずれか)65000円
・戒名は無し 0円
・お食事は無しで弁当を渡す 3万円

相見積もりで事前に比較しておく。
仲介業者は通さずに直接、交渉しにいく。

小さなお葬式などの仲介業者は3割程度をピンハネして葬儀社に発注しているので、直接交渉のほうが葬儀屋側もwelcome
うちは公営墓地のため戒名なしでも墓には入れる

遺骨

墓には入れず海洋葬(ハワイか地元の海)にする 15万円

墓じまいするか否かは検討中

 

葬儀は事前準備が9割です。

今すぐ決めておいたほうがいいこと

・葬儀屋の選定とプラン
・遺骨をどうするか?
・戒名は必要か?(いるなら今すぐ作っとく)
・相続(親の財産を全て把握し、どう振り分けるか?)
・公共料金(電気、ガス、水道)と有料サービス等の連絡先を把握

これらを決定しておけば、突然死などの不意打ちがきても余裕です。

葬儀の忙しさは、悲しい時間を忘れるほど

ここまで読めば分かるように、やることは山ほどあります。

いざ亡くなってから、これらの段取りを決めるのでは、時間が全く足りません。

高額な葬儀費用に仰天し、接待であたふたし、戒名や墓についてよく分からないまま契約を進められ、最後に相続税という、とどめの一発。

無知な人、面倒くさがりな人はつねに、ぼったくられる運命にあります。

でも、あらかじめプランを決めておけば、何も焦る必要がないですし、足元みられることもありません。ただ流れにそって進めていくだけです。

忙しさに追われて、セカセカした中でのお別れなんて、僕なら絶対に嫌です。

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